障害を持つ仲間たちと地域の中でともに暮らすためにできた、障害者総合支援法による共同生活援助ホーム(グループホーム)です。
誰でも人生の中で、自分の新たな暮らしの場所を開拓しながら、他人との出会いとつながりの中で暮らしていく時期がやって来ます。
自立して暮らしていくコツは、信頼できる人たちとの出会い、良い仲間たちとの出会い、人とのつながりに恵まれて暮らしていくということ。
ホームの名前「フラタニテ」は元はラテン語で兄弟の集い・友情の絆という意味です。
今までの障害を持つ仲間たちとの関わり、仲間とともに生きていく中から自然と育まれてくるもの、そんな共同体のなかから湧き上がってくるものを大切にした暮らしの場を作りたいと思い、このホームの運営が始まりました。
当初は、出会ったホームの仲間たち6名ほどのささやかな暮らしを想定していました。しかし、時の流れとともに、暮らしの場を求めているひとり一人との出会いがあり、その都度、その人のために部屋を増やすという形で、現在の多少にぎやかな状況に至りました。
ホームは、ある人にとっては家族・家庭であり、実家や人生の住まいとなるでしょう。ある人は、仲間との暮らしが喜びで、その中に、その人らしさの人生を見つけるかもしれません。ある人は、自分にとっての安心できる場所がほしい。そこから、その人の将来への暮らしが積み上げられていくのかもしれません。
いろいろなかたちの自立への歩みがあると思います。
① ホームの名前「フラタニテ」は元はラテン語で兄弟の集い・友情の絆という意味です。ホーム・フラタニテは、みんなにとって「家族・兄弟姉妹・仲間がともに暮らす家」です。「ひとり一人の家・住まい・実家」としての役割を大切にしたいと思っています。家族の雰囲気や絆が最優先の変わることのない中心の柱です。
② ホームで暮らす仲間も職員も、ともに人生の時間を共有する仲間であり隣人です。支援者と被支援者といった構図ではなくて、ともに人生の時間を共有して一緒に歩む考え方とスタイルを大切にしています。
③ みんなが一緒に暮らす。そこに広がっていく仲間の友情と絆。そのなかで、自然とひとり一人のこころが満たされていき、不思議とこころの力が湧いてきて、それぞれの人のタイミングでその人の花が開いていきます。この長年の共同生活の知恵で実証されている作用が、私たちのホームの支援の力の中心になっており、特徴です。
この共同生活の実りは、ただ楽しく集まってるだけの集団では、その中で時間を過ごしてもあまり実りがないのです。共同体生活の実りは、その共同体の質によって異なります。共同体の中心にある意図、心にあるものが質を大きく左右します。良い共同体の中に身を置いて過ごすと、本当に自然とこころに力が湧いてきて、開かれていきます。
④ 時間がかかるかもしれませんが、ひとり一人の中に育まれて、あふれ出てくる力が本物だと思います。細かい規則や管理で表面的にうまく行くように見せかけるよりも、ひとり一人のタイミングを待ちながら一緒に歩みます。
⑤ 大切なのは、仲間ひとり一人の力を信じて、その人の歩みとともに、私たちも一緒に歩むことです。
⑥ こころの力の源となるのは、大切にされているということ、愛されていること。それが、ひとり一人のこころに必要なだけ満たされてくると、自然とその人のタイミングでその人の素敵な個性の花が開かれていきます。
⑦ みんな昼間は仕事や作業所で頑張ってきます。ホームに帰ってきたら家の時間です。安心して、ゆっくりできて、自然な姿で暮らせる場所でなければなりません。
⑧ 私たちのホームでは、個々人の要望に合わせて訓練的な要素を適宜盛り込みますが、基本は、施設や寮のようになってしまわないように、自然な普通の生活を大切にします。
⑨ 規則やルールがあまりなくてゆるいのでは?と聞かれることもあります。確かに、紙に書けるような規則やルールは少ないほうだと思います。でも、私たちのホームには、単純だけれど一番柱になるルールがあります。それは、お互いの望みと信頼です。従わされる規則ではなくて、自分から、仲間が大切だから、暮らしている家が好きだから、お互いを大切にするようになるこころ配りです。このルールは自然と良い柔軟な絆を育んでくれます。
⑩ ホームで暮らす一人ひとりの個性や生き方を大切にしたいので、冒険的に見える部分もあるかもしれません。でも、ひとり一人を信頼することを基本にしています。先回りするよりも、一緒に歩みます。失敗しても、本人が望みを捨てなければ、また、一緒に歩き続けて、少しずつでいいから、良い方向を一緒に目指します。
⑪ 誰もかれもが順風満帆ではありません。みんな大なり小なり、各々のいろいろな課題を抱えています。そんな中、時には、その人が自分で気づくまで待たなければならない時があります。そんな時は、一歩下がって見守りながら待って、その人が新たに立ち返えった時が再スタートの時です。
⑫ 時には、巣立って行ったり、別れて行ったり、諸事情から一緒に暮らすことができなくなってしまう場合もあります。そんな仲間たちのなかでも、つながり続けている人もいるし、関係が切れたり、希薄になる場合もありますが、いつか条件が整った時には、新しい気持ちで再会したいものです。
⑬ ともに暮らす仲間たち一人ひとりにとって、今まで暮らしてきた家族や友人たちとのつながりを大切にしながら、この場所がそれに加えて新たな自立生活の場所となるようにと考えています。「施設に入る」という感覚ではなく、新し暮らしをスタートしていくということで、各々の環境や事情に合わせて、家族や友人たちとの行き来も大切にしてほしいと思っています。
⑭ ともに暮らす仲間たちが、本人の望みによって新たな住まいを見つけて独立移住するなど、もう一歩別のステップに移ることがあれば、その際にも、できる限りの支援と応援を続けていけたらと思っています。
⑮ グループホームの良いところは、今までの生活圏や地域の中で暮らせるところです。一方で、療護施設のような社会から完全に保護された空間ではありませんので、暮らしていく仲間たちが安全に自分らしく生活していくスキルを獲得していく側面も含まれています。初めて家を出て暮らす人にとっては、少し冒険の面もありますが、自立生活の一歩として歩んでいきたいと思っています。
⑯ ホームという、もう一つの家族の中で、お互いにささやかな幸せを感じ、よかったかなと振り返れる人生をともに生きれたら思います。
▲ドロップダウンで展開できます。
ホームの生活には「グループホーム」の名前のとおり共同生活の部分があります。その共同生活の実りが必要なければ、別の暮らし方の選択肢もあります。例えば、少し衣食住の助けがあれば暮らせるというような感じならば、もしかしたら別にホームの必要はないかもしれません。その人にとっては、もっと地域の中での生活の形があるかもしれません。例えば、ヘルパーさんや地域定着支援や訪問看護さんなどにサポートしてもらって独立した暮らしもできるわけです。
お互いの距離感はさまざまですが、隣に仲間がいる空間を求めている人、仲間もスタッフも含めてお互いのつながった人間関係をこころのどこかで求めている人には、共同生活の良さが活きてきて、ホームでの暮らしが向いていると思います。ホームでの暮らしは「ここのホームで暮らしたい」と望んでいる人のためのものです。
自分の人生ですので、あきらめず自分の足で本心で望む生き方に向かって歩めるように、前に向かって一歩を踏み出していきましょう。そんな相談を、相談支援員さんや市役所でも受け付けてくれます。迷ったら相談してみましょう。いろんな選択肢が本当はあるのです。
いろいろなタイプの家があります。それぞれに特徴があって、メリットもデメリットもあります。
自分に合ったスタイルはどれだろうか? 時には、希望していた家の環境よりも、別の環境が合うこともある。住んでみてわかることもあるよね。
興味のある人は、上のメニューの「問い合わせ」か、自分の担当の相談支援員さんに聞いてみてください。
「同じ屋根の下で、仲間たちとともに暮らす家」
【特徴】いつも仲間が近くにいて、お互いが親しい空間です。みんなで一緒に暮らしていますが、建物の中は、二人ずつぐらいの居住空間に分けられているので落ちついています。
重量鉄骨3階建て
居室は個室
3階のみワンルームタイプ
住込みのスタッフ2名常駐
【 向いている人 】
仲間と一緒に暮らしたい人。
仲間が近くに感じられる空間が好きな人。
「2名のシェアハウスのマンション」
【特徴】5階建てのマンションで2名づつのシェアハウス、もしくは、2Kの間取りでの1人暮らし。隣の土地にホームがあるので、何かあっても安心かな。
鉄筋コンクリートの5階建
居室は個室
バス、トイレ別
隣にホーム本体がある
【 向いている人 】
2名程度の共同生活がしたい人。
1人暮らし希望だけど近くにサポートが欲しい。
希望により2DKを1名で入居も可
「ワンルームマンションのひとり暮らし」
【特徴】3階建てのワンルームマンションでの一人暮らし。同じマンション内にスタッフが1名いるので、何かの時には駆けつけてくれます。
鉄骨造の3階建てマンション
1DK(バス・トイレ別)
広めのワンルーム
食堂での食事(基本:月~金)
同じマンション内にスタッフ1名在住
【 向いている人 】
ひとり暮らしを希望している人。
自分の生活があるていど自立している人。
「1LDKのひとり暮らし」
【特徴】木造2階建ての1LDKでの一人暮らし。隣にホームがあるので、適度な距離でつながっていいて、安心があると思います。
木造・耐火の2階建て
1LDK(バス・トイレ別)
広めの居住空間
隣にホーム本体がある
【 向いている人 】
一人部屋が希望だけど近くにサポートが欲しい。
ちょっと高めの家賃が払える人
「1DKのひとり暮らし」
【特徴】鉄筋コンクリート造の6階建てマンション。3~5名程度の共同体です。
鉄筋コンクリート造の6階建て
1DK(バス・トイレ別)
広めの居室
食堂での食事(基本:月~金)
【 向いている人 】
ひとり暮らしを目指しているか、落ち着いて暮らす場所が欲しい人。
自分の生活があるていど自立している人。
精神保健福祉士 1名
介護福祉士 5名
正看護師 2名
サービス管理責任者 3名
強度行動障害研修済 5名(内2名実践)
触法関連等支援経験者 2名
更新日:2024年3月1日
【ホーム】 満室
【コーポ】 満室
【弐番館】 空き1室
【ANNEX】満室
【アベニュー】 空き1室
ホームで暮らす仲間たちも、個性は様々。元気のよい青年もおれば、子供のこころを抱いた素敵なおじさんもいるし、繊細でデリケートな人もいます。
そんな個性豊かな仲間たちの中でも、特に精神的に繊細でデリケートな仲間たちにとって、他の元気のよい仲間たちと一緒の空間で暮らすのはしんどいこともあります。
そんな繊細な仲間たちのための家を作ることもできたらよいのかもしれません。そのような志のある方がいましたら、きっと、また新しい展開になって良いのではないかと思います。